訪問介護の働き方

訪問介護をやりたいと考えていても、実際の働き方をイメージができないと不安ですよね。

今回は、訪問介護の働き方を1日の流れなどを紹介して、より具体的にイメージしてもらえる記事となっています。
訪問介護職を目指している方で、ご自身のご家族で介護が必要になった時に訪問介護職が家に来た経験があるという方もおられるでしょう。

そのような方は家に訪問しているときの働き方はイメージができるかもしれませんが、家以外での動きを知れば、より自分が働くイメージがわくことでしょう。

訪問介護の仕事内容


基本事項ですが、訪問介護はサービス利用者様の自宅に訪問して生活支援を行うことです。

具体的なサービス内容や提供時間は、本人やご家族の要望を聞いたうえ、作成されるケアプランに基づき、訪問介護事業所との相談で決まります。
サービス内容は大きく生活援助と身体介護の2種類あります。

一回の訪問での実働時間は1~3時間が多いです。

訪問介護の1日の流れ例


8:00 事業所に出勤、準備
日勤であればおおよそこの時間に出勤して、一日の訪問計画の確認や準備を行います。
事務所に寄らずに利用者様宅へ直行する場合もあります。


9:00 A様宅へ出発
訪問看護と同行する場合もあります。


9:15 A様宅に到着
朝食はだいたい夜勤職員が対応しています。
A様がデイサービスに行く前に、洗濯や掃除、更衣を行い、必要に応じて排泄介護もします。


10:30 B様宅へ出発
移動の車中では、次の現場でいい仕事ができるようにリフレッシュしましょう。


11:00 B様宅到着
B様の食事の調理・配膳、食事介助、後片付けを行います。
B様の体調や様子を観察することが大切で、何か変調あれば事務所に相談しましょう。


12:30 事務所に戻りお昼休憩
ケアマネや他職員との打ち合わせを兼ねることが多いです。


13:30 C様宅へ出発
午後からの疲れや眠気による事故に気を付けましょう。


14:00 C様宅到着
夕食の買い物、居室の掃除、調理支援、入浴介助を行います。
    食事介助をする別ヘルパーへの引継ぎを行います。


17:00 事業所へ戻り、報告や書類作成。
終わり次第退社

夜勤対応のスタッフの動き方例


15:00 事業所に出勤
前日までの報告書等の書類作成・整理、準備、そしてD様宅へ出発


16:00 D様宅到着
食事準備 片付け 掃除、オムツ交換


17:00 E様宅へ出発


17:30 E様宅到着
入浴介助、夕食調理、食事介助、片付け


20:00 F様宅へ出発


20:30 F 様宅到着
ベッドメイク、排泄介助、更衣、ベッドへの移乗、体位変換
利用者様が快適に就寝できるように、体の位置や向きを細かく尋ねましょう。


23:00 車中にて報告書作成
   夜間スタッフは事業所へ戻ることなく自宅へ直帰が多いです。

時間や給料について


この項目では、月単位での訪問介護の労働形態について説明します。

訪問介護職に就職を考えている人にとって、実際気になる点だと思いますので、参考にしてください。

厚生労働省の統計によれば、訪問介護の勤務時間は

一月当たり、

常勤職員168.6時間(週五日勤務だとすると1日あたり8.43時間)
非常勤職員93.6時間

と、なっています。

給料は月給の場合で

常勤職員283,220円
非常勤職員177,450円

です。

他の介護職と合わせた平均労働時間数をみると、

常勤職員166,0時間
非常勤職員107,2時間

であり、平均よりも訪問介護職は多く、統計上、実労働数は一番多くなっています。

また給料面では、介護職の平均月給が

常勤職員289,780円
非常勤職員210,870円

で、訪問介護職は平均よりも少ない結果となっています。

常勤職員給与の順位で見ると
1、介護老人福祉施設(老人ホーム)318,880円
2、介護老人保健施設305,810円

に次いで3番目の高さとなっています。

就業形態の割合を見ると、訪問介護員は

正規職員 46.7%
非正規職員 52,2%

で、非正規の方が多いという他の介護職にはない特徴があります。

まとめると、非常勤で働く人が多く、労働時間は多い割には給与が高いわけではないという状況です。

引用:
平成28年度介護従事者処遇状況等調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/17/dl/28kekka.pdf

平成27年度 介護労働実態調査
http://www.kaigo-center.or.jp/report/pdf/h27_chousa_roudousha_toukeihyou.pdf

働くなら登録制か正社員か


ここでは訪問介護の仕事をするにあたって、働き方について著者の意見を述べます。

基本的には正社員で働けるならば、正社員で働く方がいいです。

非常勤でも常勤でも月間労働時間数に、あまり差はない統計結果が出ています。

参考:
平成28年度介護従事者処遇状況等調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/17/dl/28kekka.pdf

長期的に働くことを考えると、固定給で安定していて勤務時間もある程度決まっている正社員の方が良いです。

しかし、正社員は、非常勤職員が休む時のカバー、緊急的な対応、重度利用者様の担当と、責任も大きくなり、ワークライフバランスを考える上で自由度は低いと言えます。

子育てや生活との兼ね合いで、自分のペースを保ちたい方には登録制の立場で働くのが良いです。

そして、登録制から正社員を目指すべきどうかは、立場によって異なります。

登録制でも事業所をかけもちすれば正社員並みに給料はもらえますし、社会保障もつきます。

そのため、ワークライフバランスを重視するのであれば登録のままがよいですし、ひとつのところで安定して働きたいのであれば正社員をめざすのをおすすめします。

また、登録ヘルパーよりも正社員の方が大きな責任や権限を与えている事業所であれば、モチベーションが高まるので正社員を目指すべきです。

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