訪問介護職に求められる接遇マナー

訪問介護職は、施設での介護職とは「利用者の自宅で介護する」「1対1で介護を行う」という点で異なり、独特の配慮が求められます。

今回は、訪問介護職だからこそ求められることについてお伝えしていきます。

訪問介護職はプライバシーを意識すること

利用者の自宅に訪問するということは、利用者のプライベートに立ち入ることです。
そのため、一段と厳しい目で見られます。

さらに利用者宅の生活やルールを尊重する必要があり、また家族や近所への気遣いも一層求められます。

基本的にひとりで介護を行いますから、自分のやり方・考え方に傾きがちになります。
下手すると、利用者・家族との距離が近くなれなれしくなってしまいます。

それではプロの介護職としてはいけません。

上述のようなことが求められるからこそ、よりよい介護を行うために、また利用者の尊厳をきちんと守るためには、接遇へのより高い意識が必要になります。

具体的な接遇マナー

これから、具体的な接遇マナーについて説明していきます。

・挨拶
あいさつは人と人はコミュニケーションを取るために必要なことですが、挨拶の仕方によって
印象はずいぶんと変わってきます。

好感度の高い挨拶は、垂直方向から角度30度で笑顔で、はっきりと話すことです。

手は体の前に自然におろしたほうがよいです。

執事のようにひじを曲げて、手を前で組んだ挨拶は、利用者によそよそしい印象を与えてしまう可能性があります。

そこまでかしこまらないほうがよいでしょう。

相手の目を見て、誰に向けて話しているのかをはっきりさせ、きもちを込めましょう。

・言葉遣い
人間関係を築く上でとても重要になります。

訪問介護職にとって注意が必要なのは、親しみとなれなれしさの違いに注意することです。

プライベートなところに入ることで利用者との距離が縮まったと思い込み、だんだんと友達言葉になってしまってはいけません。

信頼感があると勘違いしてしまうことがありますが、利用者によっては不快に感じる人もいます。

慣れすぎると「このくらいやってくれて当然」といった、利用者からの過剰要求にもつながりかねません。
ただ、利用者によっては、友達言葉で安心感が得られる場合もあるので、全面禁止にする必要はないと考えます。

また、流行の言葉や専門用語、難しい表現などは極力使わないようにしましょう。

さらに「早くして」「待ってて」など、利用者に命令するような言葉を使うのはNGです。

相手は、「馬鹿にされている」「尊厳が傷ついた」と思う可能性があります。

丁寧さの中に、親しみやすさを感じていただけるような言葉遣いをこころがけたいですね。

・身だしなみ
身だしなみは相手への敬意を表すものです。そして、第1印象を決めるのに大きな要因となります。

介護現場では、機能性や清潔感を重視した身だしなみを意識しましょう。

長い髪はくくってまとめるようにし、爪は短く切って、清潔な服を着ましょう。

もちろんメイクは控えめにしましょう。

・表情
身だしなみと同様に、表情も第一印象の決める要因となります。

初めに嫌な印象を与えてしまうと、その後の信頼関係にマイナスに影響してしまいます。

明るい笑顔やアイコンタクトを心がけましょう。

鏡で自分の表情をチェックするのもよいでしょう。

・聞く姿勢
自分が挨拶をしたり、話をするときだけでなく、相手の話を聞くときにも意識すべき接遇
マナーがあります。

当然のこととして、自分の意見だけを話して、相手の意見や考えを聞かない・受け入れようとしないことはあってはなりません。

利用者からの発言は同じ視線に立ち、目を見ながらゆっくりと聞きましょう。

・ユニマチュード
接遇マナーとは少し異なりますが、利用者の気持ちをこちらの気持ちを交感するための専門的な方法になります。

しかし、この方法は訪問介護の短い時間で信頼をより厚くするためには大切なコミュニケーション方法であるでしょう。

また、相手の人として尊重することを改めて意識するきっかけにもなるでしょう。

まとめ

介護職にとって、接遇は利用者との距離をぐっと縮めるための大切なツールとなります。
また、利用者の満足度にも直結するといっても過言ではありません。

接遇のスキルを磨いて利用者からの安心や信頼を得ることも重要な介護職としてのポイント
です。

接遇マナーを向上させることは、利用者からの信頼を高めるだけでなく、自分の考えが人の役に立つ喜びへとつながり、モチベーションアップにもなります。

また、質の高い接遇ができると、事業所の評価も高まり運営がスムーズにまわるようになります。

ひとりひとりの接遇への意識が、自分の将来的な仕事の在りように影響するということを意識しておくことが大事です。

現状では、サービスの質よりもいかに1日の利用者を回すか、業務をこなすかが主目的に行われている介護事業所もあります。訪問介護職ひとりひとりの意識もさながら、サービス提供をしている事業所としてスタッフに対する研修を行っていくことも求められています。

安心したサービスを絶対的に行う必要にある介護業界だからこそ、接遇教育は急がれなければなりません。