【訪問介護の接遇マナー】は大切!言葉遣いと服装だけじゃない

訪問介護において、接遇マナーは大切です。

言葉遣いや服装だけでなく、接遇の種類はたくさんあります。

今回は訪問介護における接遇を見ていきます。

接遇マナーが大切な理由

まずは接遇マナーが大切な理由を紹介します。

利用者様の尊厳を守るため

接遇を大切にすることは、利用者の尊厳を守る上での基本です。

言葉遣いが間違っていたり、挨拶をしない職員だと、利用者の尊厳を傷つけることに繋がります。

職員よりも遥かに年上の方々に対して、適切なマナーで接するのは当然です。

・介護を受けている方だから
・認知症がある方だから
・いつも接していて仲が良い方だから
以上のような理由で、個人の尊厳を傷つけてはいけません。

介護サービスにおいて「個人の尊厳」は最も重要な考えの一つです。

利用者の尊厳を守る為にも接遇マナーは大切です。

安全に介護を行うため

接遇マナーを守ると利用者との信頼関係が生まれ、それが安全な介護にも繋がります。

接遇マナーを怠って信頼関係が崩れれば、自分が訪問した時に、介助に抵抗されることもあるでしょう。

抵抗された時に、転倒してしまい、事故に繋がる可能性も0ではないです。

利用者との信頼関係を作れば、職員を信用して頂けるので、介助にも身を委ねてもらえて、安全に介護をすることができます。

家族との信頼関係のため

訪問介護においては、施設介護以上に家族との信頼関係が重要になります。

なぜなら、訪問介護を利用していない時間帯は、家族が利用者の介助をしますので、情報共有が求められるからです。

接遇マナーを守れば、家族から信頼され、ヘルパーがいない間の利用者の状況を詳しく聞くことができて、それが介助の向上にも役立ちます。

家族との情報交換などがスムーズでないと、利用者の状態が悪くなってしまうことに繋がりかねませんので、接遇マナーは家族との連携にも欠かせないのです。

接遇マナーの大原則

接遇マナーには、「身だしなみ」「服装」など色々とありますが、もっと根本的に大切な原則があります。

相手の気持ちになって考える

相手の気持ちになって考えることこそが、介護の接遇の基本です。

身だしなみが整っていても、利用者のことを全く考えずに介護をしているようでは、接遇ができているとは言えません。

利用者への思いやり

接遇はマニュアルも大切ですが、利用者を思いやる気持ちの方が遥かに大切です。

利用者を思いやれば、自然に言葉遣いも正しくなりますし、適切な表情もできるようになるでしょう。

相手を思いやる気持ちがないと、マニュアル通りにしかできなくなり、応用が効かないので、それが失敗に繋がることもあります。

例えば、接遇マニュアルには「笑顔で接する」ということが書かれている所が多いでしょう。

しかし、利用者が悲しい話をしていたり、苦しんでいる時に、笑顔で対応するのは間違いですよね。

利用者を思いやれば、自然と適切な接遇ができるので、マニュアル以上に思いやりの心を大切にしてください。
もちろんマニュアルも大切なので、これから基本的な接遇マナーのマニュアルを紹介します。

接遇マナーの基本マニュアル

これから紹介するのは介護職における接遇マナーの基本です。

言葉遣い

言葉遣いは敬語で統一して、タメ口や馴れ馴れしい言葉は適していません。

利用者様が何も言わなくても、心の奥底では不快に感じている場合もあるのです。

敬語は間違えて使っている方も多いです。

若者特有の「○○っすね」のような言葉は敬語ではないので使わないでおきましょう。

・難しい単語
・命令口調 キレ口調 どなり口調
・早口・遅すぎる話し方
・極端に大きい声・小さい声
以上のような言葉遣いはダメな例なので気を付けてください。

介護の適切な話し方としては、「低い声・ゆっくり」と言われています。

高齢者は、「高い声・早口」が聞き取りにくいからです。

しかし、利用者によって、聞き取りやすい話し方は違いますから、「低い声」「ゆっくりな話し方」をしても、聞き取り辛そうにされていれば、話し方を変えてみる試みも必要です。

挨拶

挨拶をする時は、利用者や家族の目を見るように心掛けましょう。

また、「大きく元気よく」と言われますが、利用者によっては大きい声が苦手な人もいます。

挨拶は大きいほど良い、と誤解している介護士もいて、大声で挨拶する人もいますが、大きすぎると迷惑になるので適していません。

身だしなみ

身だしなみも接遇マナーの一つです。

髪の毛

髪の毛のマナーとしては、髪は清潔な状態で、寝癖などに気を付けましょう。

利用社宅に行くわけで、人様の家に上がる訳ですから、髪の毛を洗っていなかったり、寝癖が付いたままなのはマナー違反です。

女性で髪の毛が長い人は、ゴムでくくるようにしてください。

顔周辺

顔のマナーついては女性は濃いメイクはやめて、ナチュラルメイクに留めてください。

男性はヒゲの剃り忘れに注意しましょう。

当然ですが、朝に顔を洗う程度のケアはしてください。

手先

手先のマナーとしては、爪が伸びて鋭くなっていないかチェックしてください。

女性はマニキュアを付けすぎている状態は、介護職員の手先としては適していません。

服装

服装のマナーとしては、シワの目立つ服を着ないようにしましょう。

また、洗濯して清潔な服を着るのも当然のマナーです。

指輪やネックレスは邪魔になりますから、外すようにしてください。

忘れがちな接遇マナー

介護士として忘れられがちな接遇を解説します。

目線の高さ

利用者と会話をする時は、目線は「利用者と同じ高さ」が理想と言われています。

ただし、完璧に同じ高さにするのは難しいので、「やや下」ぐらいでも大丈夫です。

利用者よりも上の目線になるのがいけないので気を付けましょう。

利用者との距離

利用者との距離については、「パーソナルスペース」を侵さないようにしましょう。

パーソナルスペースとは、他社に近づかれて不快になる距離のことです。

見ず知らずの人間が、自分の真横スレスレにいたら警戒しますよね?

介護は介助をする時に密着しますから、利用者様との距離を間違えがちです。

必要のない時以外は、利用者と一定の距離を保つようにして、安易に近づきすぎないようにしましょう。

電話のマナー守る

訪問介護では、職員が家族と電話連絡を取り合うこともあります。

したがって、社会人としての電話マナーが求められます。

家族の状況を考えず、いきなり用件を伝えたりするのはマナー違反です。

日中は仕事をされていて、ゆっくり電話ができない家族もいます。

まずは「今はお電話大丈夫でしょうか?」「お忙しい中すみません」などの言葉かけをしましょう。

電話は、相手の時間を一方的に奪っている意識を持つようにしてください。

訪問介護の接遇マナー

訪問する場所は利用者の自宅ですから、施設よりもプライベートの部分に侵入することになります。

施設以上に求められるマナーがたくさんあります。

利用者の家の決まりを大切に

どんな家でも、それぞれ家の独自の決まりがあります。

利用社宅にも決まりがありますから、その家のルールや決まりに従うようにしましょう。

自分のルールを押し付けないように注意してください。

施設介護よりも利用者との距離が近い

ご自宅で生活援助をさせて頂くので、利用者や家族との距離が近くなりがちです。

・なれなれしくなる
・言葉遣いが疎かになる
上記のような間違いに発展してしまうので気を付けましょう。

仲良くなったので、友達言葉で喋っていたら、後で家族からクレームが来たこともあります。

また、クレームをする勇気がない利用者や家族もいて、内心では傷ついている可能性もあるので、仲良くなっても敬語を疎かにしないようにしましょう。

コミュニケーションも接遇の一つ

訪問介護においては、利用者とのコミュニケーションも接遇の一つである、という考え方があります。

相手の話を聞く姿勢

コミュニケーションでは相手の話を聞く姿勢も大切です。

・傾聴
・受容
・共感
以上の3つは介護の教科書にも掲載されていることですが、忘れがちな考え方の一つです。

仕事に慣れてきてしまうと、「忙しさのせいで利用者の声に耳を傾けない」「自分の話ばかりして盛り上げることだけに徹してしまう」のような介護士が見受けられます。

訪問介護の場合は、他の職員の目もありませんから、自己流のコミュニケーションを取ってしまう介護士もいます。

利用者の話に耳を傾ける姿勢を忘れないようにしてください。

会話中は忙しくても落ち着いて

利用者様の話を聞く時は、業務が忙しくても落ち着いた姿勢で聞くべきです。

話を聞くことも介護の仕事の一つですから、聞く時は精神的なゆとりが必要になります。

言葉だけに頼らない

コミュニケーションは言葉だけではなく、表情・身振り・仕草なども含まれます。

認知症の利用者だと、言葉だけでは伝わらないこともあるので、言語以のコミュニケーションを意識してみてください。

接遇を事業所全体で意識する

接遇マナーは職員個人が考えるだけではなく、事業所全体で考えていくべきです。

会議で接遇の話題を取り上げる

事業所の会議で、接遇マナーの話題を取り上げてみると良いでしょう。

会議では「接遇」や「マナー」は後回しになりがちですが、利用者との距離が近い訪問介護だからこそ、優先的に考えなくてはならない課題です。

研修を受けて確認する

接遇マナーの研修を実施して、利用者や家族への接し方が正しいのかどうか確認するべきです。

単に研修を受けて終わるのではなく、研修後はチェックシートを作ったり、利用者からアンケートを取ると、せっかく行った研修も無駄になりません。

他の職員と一緒に同行した際に、接遇マナーをチェックしても良いでしょう。

接遇マナーの落とし穴

接遇マナーは重要ですが、利用者の不満が無くなる訳ではありません。

接遇を意識してもクレームになることも

接遇マナーを意識して介助をしていても、利用者からのクレームに発展することはあります。

利用者の不満が0にするのは難しいので、完璧主義になって落ち込み過ぎないようにしてください。

クレームが無いから接遇が完璧な訳ではない

事業所やヘルパーへのクレームが無いからと言って、接遇が完璧な訳ではありません。

本当は不満に感じているけど言えない利用者もいます。

・お世話してもらっている立場だから…
・ヘルパーに文句を言ってもしょうがない…
上記のように本音があるけど、我慢している利用者もいるかもしれません。

クレームの有無に関わらず、接遇マナーを考える習慣は必要です。

マナーだけに縛られない

接遇マナーについて記事を書いてきましたが、マナーだけに縛られすぎるのも良くありません。

利用者ごとに接遇マナーを変えるべき

接遇マナーのマニュアルは全ての利用者に当てはまる訳ではありません。

例えば、利用者と職員の物理的な距離が近ければ近いほど安心できる利用者もいます。

また、笑顔を見るだけで怒る利用者もいます。

利用者ごとに、適切なマナーは変わるので、一人一人に寄り添って、相手の気持ちになって考えるようにしましょう。

まとめ

訪問介護は利用者との距離が近くなるからこそ、接遇マナーが疎かになる場面が見受けられます。

利用者の尊厳を守る為にも、相手を思いやり、正しい接し方をしていく必要があります。